Material Experience Design | Yasuaki Kakehi Laboratory, The University of Tokyo

Yasuaki Kakehi Laboratory

Heteroweave


Designing Functional Nishijin Textiles and Interactive Experiences


Yasuaki Kakehi Laboratory + HOSOO + YCAM

Heteroweave 001-003

筧康明研究室は、株式会社細尾、山口情報芸術センター(YCAM)と連携しながら、西陣織の「箔」に着想を得て、様々な異素材を緯糸として代入し新たな機能やインタラクティビティを埋め込む織物を制作しています。これまでに、周囲の温度により柄が変化する布Heteroweave 001 <color>、微細なパターンを印刷した紙を織り込み、布を映像や音響を操作するインタフェースとして用いるHeteroweave 002 <digitize>、さらには水分含有量により硬度が変化する素材を織り込むことで、書き換え可能な(立体)形状を構成するHeteroweave 003 <form>を実作してきました。素材特性と西陣特有の織構造を掛け合わせることで布に動きや変化を与え、人間の身体から建築スケールに至るまで、新しい布との関わり方を探求していきます。

Heteroweave 001 <color>
ロイコ染料、和紙、絹/手織/2017

素材研究:中丸啓、筧康明
装置開発:武井祥平、加治洋紀

特定の温度に達すると変色するロイコ染料を塗布した箔を織り込み、柄の色が動的に変化する布を制作した。布の上をスキャンするように移動するバーは、保冷材を内包しており布を局所的に冷却する。冷却された箇所には、鮮やかな色のパターンが現れ、またしばらくすると温度の上昇に伴い、白へと戻る。書き換え可能な柄を持つ布として、あるいは周囲の環境(温度変化)に応答する布として展開可能性を探る取り組みである。

Heteroweave 002 <digitize>
和紙、絹/手織/2017

インタフェース :筧康明
映像・音響:加治洋紀

微細なドットパターンが印刷された紙を箔として組み込んだ織物を展示台の上に置く。台の上で布を滑らせるように動かすと、台に埋め込まれたセンサにより、布のIDと位置情報がリアルタイムに取得される。布全体が情報を内包する媒体となり、生地構造を画面上にビジュアライズする。

Heteroweave 003 <form>
合成セーム革、絹/手織/2017

素材研究・造作:西原由実、藤井樹里、武井祥平、筧康明

高吸水性の素材である合成セーム革を裁断し、箔の要領で糸状にしたものを織り込んだ。この素材は、吸水すると柔らかく、乾燥すると硬くなる性質を有する。乾燥時の硬度を利用して、西陣織による立体構造物の造形、さらには吸水によりフラットで柔らかい素材へと戻る性質を利用して「作り替え」「収納」可能なプロダクトへの応用可能性を探る。

Exhibitions:
Heteroweave001-003, Ars Electronica Festival 2018, 2018.9

Heteroweave001-003, 株式会社細尾+YCAM共同研究開発成果展示「布のデミウルゴス―人類にとって布とは何か?」, 山口情報芸術センター (YCAM), 2017.12-2018.3