東京大学筧康明研究室、京都の西陣織を代表する老舗HOSOO、株式会社ZOZO NEXTによる特別展「Ambient Weaving」が、LVMH メティエ ダールの主催で2024年9月30日(月)から、パリのショールーム「La Main (The Hand)」にて開催されます。伝統と革新の融合を浮き彫りにするこのエキジビションは、伝統的なクラフツマンシップの革新と発展を目指すLVMH メティエ ダールの取り組みを体現しています。
筧研究室は、12世代にわたり京都で西陣織の伝統を継承し、2023年にLVMH メティエ ダールとパートナーシップを締結したHOSOO、ZOZO NEXTとともに、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせた機能性と美しさを両立する新たなテキスタイル開発に関する共同研究プロジェクトに取り組んできました。「Ambient Weaving」は、2020年から続くプロジェクトの過程で創出したコンセプトであり、その中で生み出された「環境情報を表現する織物」「環境そのものが織り込まれた織物」を指します。本展覧会は、そのさらなる発展として「環境を形づくる織物」の可能性を模索し、色や光などの環境的ニュアンスと共鳴する新たなテキスタイルのビジョンを打ち出しています。
テクノロジーによって環境との関わり方が再定義される時代において、このプロジェクトはその進歩がどのように文化および自然の環境に変革をもたらすかを探求しています。その結果生まれたテキスタイルは、単なる織物を超え、空間と自然の概念に挑み、再定義するメディウムとなります。研究成果を礎とした革新的で洗練された西陣織は、環境の変化に呼応する最先端の要素を織り込み、300年以上にわたりHOSOOが受け継ぐ織物の伝統と現代性を見事に融合しています。
<展覧会概要>
展覧会名 :LVMH メティエ ダール 特別展「Ambient Weaving」
会期 :2024年9月30日(月)~10月11日(金)
会場 :LVMH メティエ ダール ショールーム「La Main (The Hand)」
住所 :69 Rue Réaumur, Paris 75002
開館時間 :11:00 – 17:00
入場料 :無料
LVMHメティエ ダール
2015 年の創設以来、LVMH メティエ ダールは 五大陸にまたがるコミュニティとして活動してきました。 これは、持続可能性に常に重点を置きながらイノベーションを促進し、大幅な排出量削減と生産プロセスの合理化を可能にする、先進的な思考を持つマニュファクチャーと職人のグローバルなネットワークです。ラグジュアリー産業において豊かな伝統と世界トップクラスの専門知識を持つ皮革なめし加工、牧畜、印刷加工、金属加工を含む、卓越した技術を誇るサプライヤーの集合体を形成しています。
牛革および羊革に関して言えば、LVMH メティエ ダールはフランス、イタリア、スペインに拠点を築いています。すなわち、原材料供給源となる牧畜についてはドメーヌ・デ・マシーフをパートナーに選び、革なめしと仕上げ加工についてはレ・タンヌリ・ルー、マソーニ、リバ・ギシャとの提携で、極上のカーフおよびラムスキンの供給を確保しています。レザーのプレタポルテ縫製については、高いノウハウを持つロバンスに投資しています。
エキゾチックレザーに関して同様の取り組みがなされ、LVMH メティエ ダールは、アフリカ、オーストラリア、米国で、「アニマル・ウェルフェア」認証を受けた施設のネットワークを構築することで飼育のトレーサビリティを確保するとともに、クロコダイルレザーの鞣しと仕上げ加工のスペシャリストとて国際的に認知されているヘンローンレザー社(シンガポール、イタリア)を傘下に置きました。またスペインのバレンシアに拠点を置く、リザードやパイソンのなめし加工においてトップクラスの技術を誇るベルデベレーノ社の株式の大部分を取得しました。
LVMH メティエ ダールはまた、欧州やアジアを拠点として、ラグジュアリーメゾンに最高級のメタルピースを供給しているメーカーであるメネガッティ、GBJM、ジェイドをパートナーとして組み入れています。
さらに2022年12月に日本における活動拠点としてLVMH メティエ ダール ジャパンを設立、2023年4月には世界屈指のデニム生産地として知られる岡山県のデニム生地マニュファクチャーであるクロキ株式会社と日本初のパートナーシップを締結しました。
株式会社 細尾/ HOSOO
元禄元年(1688年)、京都・西陣において織屋として創業しました。
京都の先染め織物である西陣織は1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれてきました。細尾は帯やきものといった伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術とタイムレスなデザイン感性を加えることによって、唯一無二のテキスタイルを生み出し、国内外のラグジュアリーマーケットに向けて展開しています。
本社:京都市中京区両替町通姉小路下る柿本町412
代表:細尾 真孝
詳しくは https://www.hosoo.co.jp をご覧ください。
東京大学筧康明研究室
東京大学大学院情報学環は、2000年に学際情報学府と共に創設された大学院です。東京大学全学にわたる「情報」をめぐる諸領域を流動的に連携させる学際的ネットワーク組織として設計されました。2018年に情報学環にて立ち上げられた筧康明研究室(主宰:筧康明教授)では、理工学、アート、デザインなど多岐に渡る専門性を持つメンバーが所属し、マテリアル・エクスペリエンス・デザインをコンセプトに先端的なフィジカルインタフェース研究、およびそれらを活かした体験設計やアート表現に関する学際的な活動を展開しています。
東京大学大学院情報学環 公式サイト: https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/
東京大学大学院情報学環 筧康明研究室: https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/
株式会社ZOZO NEXT
ZOZO NEXTは「Create the Future of Fashion and the NEXT Big Thing.」をミッションに掲げ、ファッション領域におけるユーザーの課題を想像しテクノロジーの力で解決することで、より多くの人がファッションを楽しめる世界の創造を目指しています。ファッションを数値化し、科学的に解明するための研究機関「ZOZO研究所」やファッションの未来に影響を与える6領域のテーマでZOZOグループの新規事業の創出を目的とする「MATRIX」などでR&Dをおこなっています。
株式会社ZOZO NEXT 公式会社サイト:https://zozonext.com/
オーストリアリンツで2024年9月4日から8日に開催されるArs Electronica Festival2024にて、東京大学筧康明研究室 xlab 「Well tangled -Harmony amidst Chaos-」を展示いたします。
Yasuaki Kakehi Lab, The University of Tokyo
Well tangled -Harmony amidst Chaos-
Ars Electronica Festival 2024 Features Exhibition
https://ars.electronica.art/hope/en/features/
Ars Electronica Festival
4-8 September 2024 POSTCITY
hhttps://ars.electronica.art/festival/en/
Signs of Water – Mirror
Kuan-Ju Wu + Ekaterina Kormilitsyna + Yasuaki Kakehi
Signs of Water – Mirror explores water as a medium to reflect environmental meaning. An array of water plates, each with a mechanism to move floating objects, starts empty but gradually fills with serendipitously added found venue artifacts. Sensor data triggers object movements, prompting viewers to notice hidden patterns and their correlation to the immediate environment. This dynamic interplay entangles water, objects, data, and reflections, questioning the creation and nature of meaning.
Efficiency of Mutualism
Dorita Takido
In this work, various power generation mechanisms are combined: fuel cells utilizing microorganisms coexisting with plants, algae fuel cells using photosynthesis, and fuel cells employing water electrolysis. Plant growth is enhanced by electrical stimulation, as the weak electricity generated by each fuel cell is returned to the plant. This study offers a chance to reconsider the ideal form of circulation and the relationship between human-used electricity and nature.
Braided Crawlies
Yumi Nishihara + Yasuaki Kakehi
Braided Crawlies is a kinetic installation in which a colony of braids curve, bend, compress and stretch. For each kumihimo (Japanese traditional braid), a strand that controls its shape-change is interwoven in different patterns, enabling each variant to form unique shapes when the strand is pulled. This hybrid craft work attempts to derive expressions of materiality to overcome mechanical control and create value by incorporating advanced functionality into the beauty of traditional crafts.
Ars Electronica Festival web site:
https://ars.electronica.art/hope/en/
【イベント情報】
xlab Showcase 2024 “Well-tangled -混淆と調和”
東京大学筧康明研究室 2024年度研究成果発表イベントを開催いたします。
xlab Showcase 2024 ウェブサイト https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/showcase2024/
展覧会:2024年3月9日(土)- 11日(月)12:00 – 20:00
研究発表会:2024年3月10日(日)13:00 – 15:15
トークイベント:2024年3月10日(日)16:00 – 17:30
場所:本郷キャンパス内
詳細:https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/showcase2024/
展覧会3月9日(土)- 11日(月)は予約不要でご覧いただけます。なお、トークイベント中(10日16:00-17:30)は展示会場はご覧いただけません。
研究発表会・トークイベントは、3/10(日)に開催します(要事前予約)。
研究発表会とトークイベントの両方にご参加される場合は、それぞれのチケットが必要となります。ご予約はこちら:https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/showcase2024/
研究発表会(3月10日(日)13:00 – 15:15)
ラボメンバーによるポスター形式での研究発表を、前半(13:00 – 14:00)と後半(14:15 – 15:15)に分けて行います。前半と後半は発表内容が一部異なります。
トークイベント(3月10日(日)16:00 – 17:30)
「混淆と調和の探究」
登壇者:
四方 幸子(キュレーター/批評家)
久保 明教(一橋大学社会学研究科 教授)
筧 康明(東京大学 大学院情報学環 教授)
他
会場アクセス
展覧会:情報学環オープンスタジオ(中山未来ファクトリー)
研究発表会:工学部2号館2階展示室
トークイベント:工学部2号館2階221教室
筧康明が主宰する東京大学大学院の研究グループのメンバーによる共同制作
Kuan-Ju Wu + 開元 宏樹+筧 康明
筧康明が主宰する東京大学大学院の研究グループのメンバーによる共同制作。フィジカルインタフェースや素材研究を軸に、メディアアート、デザイン領域の活動を展開する。Ars Electronica Festivalや文化庁メディア芸術祭などに出展、受賞。
いちかわ芸術祭では、特設コーナーに作られた暗室で「Signs of Water」を展示します。
本作「Signs of Water」は、生命や自然に不可欠な素材である水を用いて、コンピュータ制御と水面のマテリアリティを結合させる試みを行うインスタレーション作品です。超音波振動を水槽の底面裏から与えることで、水面にピクセル状の隆起を生み出します。この隆起は、プログラムによって動的かつ機敏に操作され、水面上に多様なアニメーションを形成します。同時に、光の反射や水面の揺らぎを通じて、デジタル制御下であっても水はそのマテリアリティを保持し、隆起が消失した後はすぐに自然な佇まいを取り戻します。本作は、自然と人間の間の豊かな関係を、メディア技術を通じてどのように創造(または再構築)することができるかを問いかけます。
Our work ‘Signs of Water’ is an installation that utilizes water, a material essential for life and nature, to explore the integration of its materiality with computer-controlled expression. Ultrasonic vibrations applied from beneath the water tank’s bottom surface create pixel-like swells on the water. These elevations are dynamically and sensitively controlled by computational programming, forming a variety of animations on the water’s surface. Despite being under digital manipulation, the water retains its inherent properties through reflections and ripples, reverting quickly to its natural state after the swells subside. This piece raises a question: how can media technology be used to create (or recreate) a rich interplay or relationship between nature and humans?
会期:2024年1月16日(火)―3月10日(日)
会場:千葉県立現代産業科学館
開館時間:9:00―16:30 最終入館は 16:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、2 月 27 日(火)
入館の際は千葉県立現代産業科学館の入館料が必要です。
一般 300 円/高・大学生 150 円 *中学生以下・65 歳以上・障害者手帳をお持ちの方は無料
主催:千葉県誕生 150 周年記念いちかわ芸術祭実行委員会
いちかわ芸術祭
https://ichikawa-artfest.jp/
12月8日(金)〜10日(日)に横浜・象の鼻パークで開催されるZOU-NO-HANA FUTURESCAPE PROJECT 2023に今年もxlabが参加します。
場を制御し液体の濡れ性を変化させるエレクトロウェッティング(Electrowetting)という現象をもとに開発された印刷回路による水滴制御手法を用いて、液体に動きを与え、振る舞いを引き出します。本作では、発光するインクを混ぜた水を媒材として、それぞれの展示台の上でささやかな光のパフォーマンスを展開します。是非会場にお越しください。
会期: 2023年12月8日(金)〜 12月10日(日)
時間: 16:30 ー 21:30
会場: 象の鼻テラス・象の鼻パーク 広場エリア(山下臨港線プロムナード下)
料金: 無料
https://fsp.zounohana.jp/2023/
作品紹介ページ:
GleamDrops / GleamDrops 東京大学筧康明研究室(東京大学) / Yasuaki Kakehi Lab. (The University of Tokyo)
https://fsp.zounohana.jp/2023/programs/gleamdrops/